次のステップは、ウェブのコントローラに yii\authclient\AuthAction を追加して、あなたの必要に応じた successCallback
の実装を提供することです。
典型的には、コントローラのコードは、最終的に、次のようなものになります。
use app\components\AuthHandler;
class SiteController extends Controller
{
public function actions()
{
return [
'auth' => [
'class' => 'yii\authclient\AuthAction',
'successCallback' => [$this, 'onAuthSuccess'],
],
];
}
public function onAuthSuccess($client)
{
(new AuthHandler($client))->handle();
}
}
auth
アクションがパブリックにアクセス可能であることが重要ですので、アクセス・コントロール・フィルタでアクセスが拒否されないように注意して下さい。
AuthHandler の実装は次のようなものになります。
<?php
namespace app\components;
use app\models\Auth;
use app\models\User;
use Yii;
use yii\authclient\ClientInterface;
use yii\helpers\ArrayHelper;
/**
* AuthHandler Yii auth コンポーネントによって認証の成功を処理する
*/
class AuthHandler
{
/**
* @var ClientInterface
*/
private $client;
public function __construct(ClientInterface $client)
{
$this->client = $client;
}
public function handle()
{
$attributes = $this->client->getUserAttributes();
$email = ArrayHelper::getValue($attributes, 'email');
$id = ArrayHelper::getValue($attributes, 'id');
$nickname = ArrayHelper::getValue($attributes, 'login');
/* @var $auth Auth */
$auth = Auth::find()->where([
'source' => $client->getId(),
'source_id' => $attributes['id'],
])->one();
if (Yii::$app->user->isGuest) {
if ($auth) { // ログイン
/** @var User $user */
$user = $auth->user;
$this->updateUserInfo($user);
Yii::$app->user->login($user, Yii::$app->params['user.rememberMeDuration']);
} else { // ユーザ登録
if ($email !== null && User::find()->where(['email' => $email])->exists()) {
Yii::$app->getSession()->setFlash('error', [
Yii::t('app', "User with the same email as in {client} account already exists but isn't linked to it. Login using email first to link it.", ['client' => $this->client->getTitle()]),
]);
/* "{client} のアカウントと同じメールアドレスを持つユーザが既に存在しますが、まだそのアカウントとリンクされていません。リンクするために、まずメールアドレスを使ってログインしてください。" */
} else {
$password = Yii::$app->security->generateRandomString(6);
$user = new User([
'username' => $nickname,
'github' => $nickname,
'email' => $email,
'password' => $password,
]);
$user->generateAuthKey();
$user->generatePasswordResetToken();
$transaction = User::getDb()->beginTransaction();
if ($user->save()) {
$auth = new Auth([
'user_id' => $user->id,
'source' => $this->client->getId(),
'source_id' => (string)$id,
]);
if ($auth->save()) {
$transaction->commit();
Yii::$app->user->login($user, Yii::$app->params['user.rememberMeDuration']);
} else {
Yii::$app->getSession()->setFlash('error', [
Yii::t('app', 'Unable to save {client} account: {errors}', [
'client' => $this->client->getTitle(),
'errors' => json_encode($auth->getErrors()),
]),
/* '{client} のアカウントを保存することが出来ません: {errors}' */
]);
}
} else {
Yii::$app->getSession()->setFlash('error', [
Yii::t('app', 'Unable to save user: {errors}', [
'client' => $this->client->getTitle(),
'errors' => json_encode($user->getErrors()),
]),
/* 'ユーザを保存することが出来ません: {errors}' */
]);
}
}
}
} else { // ユーザは既にログインしている
if (!$auth) { // 認証プロバイダを追加
$auth = new Auth([
'user_id' => Yii::$app->user->id,
'source' => $this->client->getId(),
'source_id' => (string)$attributes['id'],
]);
if ($auth->save()) {
/** @var User $user */
$user = $auth->user;
$this->updateUserInfo($user);
Yii::$app->getSession()->setFlash('success', [
Yii::t('app', 'Linked {client} account.', [
'client' => $this->client->getTitle()
]),
]);
/* '{client} のアカウントをリンクしました。' */
} else {
Yii::$app->getSession()->setFlash('error', [
Yii::t('app', 'Unable to link {client} account: {errors}', [
'client' => $this->client->getTitle(),
'errors' => json_encode($auth->getErrors()),
]),
]);
/* '{client} のアカウントをリンクすることが出来ません: {errors}' */
}
} else { // 既に使用されている
Yii::$app->getSession()->setFlash('error', [
Yii::t('app',
'Unable to link {client} account. There is another user using it.',
['client' => $this->client->getTitle()]),
]);
/* '{client} のアカウントをリンクすることが出来ません。それを使用している別のユーザがいます。' */
}
}
}
/**
* @param User $user
*/
private function updateUserInfo(User $user)
{
$attributes = $this->client->getUserAttributes();
$github = ArrayHelper::getValue($attributes, 'login');
if ($user->github === null && $github) {
$user->github = $github;
$user->save();
}
}
}
外部サービスによるユーザの認証が成功すると successCallback
メソッドが呼ばれます。
$client
インスタンスを通じて、外部サービスから受け取った情報を取得することが出来ます。
私たちの例では、次のことをしようとしています。
Note: Auth クライアントの違いによって、認証の成功を処理するときの方法も違ったものになります。 たとえば、Twitter はユーザの email を返すことを許していませんので、何らかの方法でそれに対処しなければなりません。
全ての Auth クライアントには違いがありますが、同じインタフェイス yii\authclient\ClientInterface を共有し、共通の API によって管理されます。
各クライアントは、異なる目的に使用できるいくつかの説明的なデータを持っています。
id
- クライアントを他のクライアントから区別する一意の ID。
URL やログに使うことが出来ます。name
- このクライアントが属する外部認証プロバイダの名前。
認証クライアントが異なっても、同じ外部認証プロバイダを参照している場合は、同じ名前になることがあります。
例えば、Google OpenID のクライアントと Google OAuth のクライアントは同じ名前 "google" を持ちます。
この属性は内部的にデータベースや CSS スタイルなどにおいて使用することが出来ます。title
- 外部認証プロバイダのユーザフレンドリな名前。ビューのレイヤにおいて認証クライアントを表示するのに使用されます。それぞれの認証クライアントは異なる認証フローを持ちますが、すべてのものが getUserAttributes()
メソッドをサポートしており、認証が成功した後にこのメソッドを呼び出すことが出来ます。
このメソッドによって、外部のユーザアカウントの情報、例えば、ID、メールアドレス、フルネーム、優先される言語などを取得することが出来ます。 ただし、プロバイダごとに利用できるフィールドの有無や名前が異なることに注意してください。
外部認証プロバイダが返すべき属性を定義するリストは、クライアントのタイプに依存します。
requiredAttributes
と optionalAttributes
の組み合わせ。scope
フィールド。
プロバイダによってスコープの形式が異なることに注意。Tip: いくつかの異なるクライアントを使用する場合は、yii\authclient\BaseClient::$normalizeUserAttributeMap を使って、クライアントが返す属性を統一することが出来ます。
yii\authclient\OAuth1 と yii\authclient\OAuth2 は、ともに、api()
メソッドをサポートしており、これによって外部認証プロバイダの REST API にアクセスすることが出来ます。
ただし、このメソッドは非常に基本的なもので、外部 API の完全な機能にアクセスするためには、十分なものではありません。
このメソッドは、主として、外部のユーザアカウントの情報を取得するために使用されます。
API の呼び出しを使用するためには、API の仕様に従って yii\authclient\BaseOAuth::$apiBaseUrl をセットアップする必要があります。 そうすれば yii\authclient\BaseOAuth::api() メソッドを呼ぶことが出来ます。
use yii\authclient\OAuth2;
$client = new OAuth2;
// ...
$client->apiBaseUrl = 'https://www.googleapis.com/oauth2/v1';
$userInfo = $client->api('userinfo', 'GET');
そのまま使える yii\authclient\widgets\AuthChoice ウィジェットをビューで使用することが出来ます。
<?= yii\authclient\widgets\AuthChoice::widget([
'baseAuthUrl' => ['site/auth'],
'popupMode' => false,
]) ?>